第2回「味噌ものがたり大賞」受賞者発表!!

特別賞横田 智子 様

私には一度確かめてみたい味噌汁があった。それは、19年前に他界した祖父が残した随筆にあった、水戸にある三の丸ホテルの朝食の味噌汁だ。随筆によると、そのネギの味噌汁の味に水戸出身の母(私の曾祖母)の味を思い出すと書いてあるからだ。今年の誕生日は、その味を確かめて祖父や曾祖母に思いを馳せることを自分自身へのプレゼントにしようと水戸に向かった。ホテルの朝食会場で出会った味噌汁には、お椀一面にぎっしりとネギが広がっていた。温かい、そして柔らかなまろやかさのある優しさに包まれた味噌汁の味に、会ったことのない曾祖母を感じ、そしてこのホテルでこの味噌汁を食べながら亡き母を思い出していた祖父を感じた。いつでもご先祖様に触れることができる味噌汁という存在が私にとっての最高の誕生日プレゼントになった。

審査員長 松浦弥太郎の評

ネギのお味噌汁という、素朴な一品に母への思いを馳せる、すてきなお祖父様。そして、時を経て横田様が出合ったそのお味噌汁のおいしさ。いつでもご先祖様に触れることができるお味噌汁があるというしあわせをうらやましく思いました。すてきなエッセイをありがとうございます。