第2回「味噌ものがたり大賞」受賞者発表!!

特別賞まつ 様

あり合わせの具材が明るい黄土色に溶け込んだお椀。それが私の「お味噌汁」であった。しかし大人になるにつれ、品良く薬味が浮いた赤出汁、凛と汁が張られた白味噌のお椀など「かっこいいお味噌汁」を知った。明るい黄土色のお味噌汁は、何でもない日の普通のお味噌汁。どこか大切にしきれていなかったように思う。そんなある日、スーパーでも通販でもなく味噌屋さんで味噌を買った。その際お会いした職人さんの言葉に数年分の自分をハッとさせられた。「味噌は、赤でも白でもない山吹色にするのが一番難しい。」矜持という言葉が思い浮かぶと同時に、自分が恥ずかしくもなった。思えば仕事や食事、人間関係…零や百に振り切ることは案外簡単だった。いつだって難しいのは、頑張りすぎず付かず離れず、真ん中を保つことだったのではないか。毎朝毎晩、鍋に山吹色のお味噌を掬う時、あの職人さんの言葉を思い出す。今日も真ん中できるかな、できたかな。

審査員長 松浦弥太郎の評

良いか悪いか、正しいか正しくないか、右か左かと、なんでもはっきりと区別してしまいがちの現代に、おっしゃるとおり、どちらでもない真ん中のすばらしさはあると思います。山吹色のお味噌の本質を捉えていただき感謝いたします。今日も真ん中できたかな、と私も指差し確認をしたくなりました。